2007.1.21

 
  猪俣の百八灯(美里町)
  水谷勇三
   

 猪俣党は横山(現在相模原市横山)を中心に分布していた武蔵七党の一つ、横山党の支族で、主に児玉、大里、比企郡に分布していた。
 猪俣氏は小野篁(おののたかむら)の子孫といわれ、猪俣村に住んで以来猪俣氏を称し、武蔵武士として勇名を馳せた。
 猪俣小平六は源義朝に従い軍功をあげ、義朝16騎の一人として知られた。小平六は建久3年(1192年)に死去したが、一族はその霊を慰めるため、8月15日に墓前に当たる堂前山に百八灯がともされるようになった。
 高台院に集結した18歳以下の若者たちが準備を整え、提灯行列が堂前山に向かい、百八基の塚に灯をともす。闇夜に浮かぶ炎の明かりは幻想的である。これは猪俣党の棟梁小平六の霊を慰めるための行事で今日なお続いている。国指定無形文化財となっている。
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