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鈴木広喜
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秩父札所34ヶ所 第1番 四万部寺(しまぶじ)
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「ありがたやひとまきならぬ
法のりの花数は四万部の寺のいにしへ」
四万部寺縁起によると、1007年(平安時代)に秩父札所の創始者と伝えられている性空上人の「武蔵国秩父は、観世音菩薩有縁うえんの地なり、彼の地に行きて教化せよ」との命によって、弟子の幻通
がこの地に至り里人を教化し、朝夕妙典四万部を読誦ずしょうし供養を行って経塚を築き秩父第1番の霊場としたのが始まりである。
当初は現在地の北にある四万部山山中に有ったのが、江戸期に入って、妙音寺と合併し現在地に移ったと言われている。妙音寺と呼ばれているのもその為である。現存する本堂は1697年(江戸時代)に、秩父地方で最も優れた大工の藤田徳佐衛門によって建てられたものである。尚、1756年(江戸時代)に江戸の大工神田清助の手で、補修が行なわれている。本堂には本尊、聖観世音菩薩が安置され、屋根は銅葺き、入母屋造の唐様式である。昭和33年県の文化財に指定されている。秩父札所の霊場建築の基盤となった建物だけに美しく最も価値の高い建造物である。
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